心のこもった介護を通じて利用者様とスタッフの幸福を実現していく
訪問介護事業所、居宅介護支援事業所、デイサービス事業を手掛ける『ケアラーズ』。介護保険制度が始まる以前から良質な介護サービスを提供し続けており、草分け的な存在として地域にか欠かせない企業となっている。本日はタレントのつまみ枝豆氏が同社の菊地社長にインタビュー。事業の道程や、介護を通じて利用者、スタッフに寄せる思いを語っていただいた。
【ピンチの中で着目した介護事業時代を読む力を活かし参入する】
ーーー菊地社長は会社の第一歩目から介護・福祉業界を歩んでこられたのですか。
元々はアパレル業界に身をおいていたんですよ。学業終了後、大阪の婦人服メーカーを経て、紳士服メーカーに移り、10数年間の経験を積んだ後、34歳で独立し小売店をスタートしました。
ーーー今とは全く違う業界で活躍されていたのですね。そこから現在の業界に入られた経緯を伺っても?
起業した当時はDCブランドの全盛期で、業界全体にとても活気があり、事業は順調でした。ところが10年ほど経ったころバブルが崩壊し、一気に業績が厳しくなってきたんです。同業界で活躍していた先輩や同僚がどんどん去っていく中、私も何か新しい事業柱を打ち立てなければと考えていた時に着目したのが介護・福祉事業でした。たまたま新聞で要介護者がいるご家族は、大変だという記事を読んだんです。確かに、旅行や結婚式などはおろか、日常生活でも負担は大きいだろうなとすぐに想像できました。ご家族を支えるサービス・職業があればという思いから、色々と調べ始めたんです。それが1998年の秋のことでした。
ーーー介護保険制度が始まる少し前ですね。
まずは介護関連のサービスや職業がないかを調べたのですが、当時はネットなどはなかったので職業欄で探しました。そうやってやっと見つけたのが、近い仕事で家政婦紹介所でしたね。次に介護サービスを提供するにあたり何か資格が必要かを役所に問い合わせたところ、当時は資格が必要でなく、さらに2000年から介護保険制度が始まることを知り、「近い将来必ず必要とされる仕事だ」と確信を得たんです。そして介護保険制度が始まる1年半ほど前に、小売業と平行しながら、まずは一人で介護福祉事業をスタートしました。
【優れたスタッフに恵まれ感謝し一丸となって良質なサービスを提供】
ーーーとても先見の明がありますが、当時はまだまだ認知されていないお仕事ですよね。まずは何から始められたのですか。
まずは訪問介護事業を始めようと、料金やサービス内容を書いたチラシをポスティングすることから始めました。そしてヘルパーさんを集めていったんですよ。やがて少しずつ利用者様がサービスを受けてくださるようになる中で、地域のケアマネジャーさんたちが介護のあり方や利用者様にたいするスタンスなどを教えてくださり、さらに新規の利用者さんをご紹介くださったんです。そうして事業が軌道に乗っていきました。介護・福祉業界を歩むようになり、私自身人間的に、以前より少しは成長できたのでは利用者様・ご家族様・関係者の皆様・スタッフに育てていただいたからだと感謝しています。
ーーー良いご縁を得られたのですね。
介護保険制度が始まった時、ここ大阪市住之江区の同業者は11社ぐらいだったと思いますが、異業種からの参入したのは当社だけでした。その中でどうすれば利用者様やケアマネジャーさんに選んでいただけるかを毎日考えていましたね。そこで役立ったのがアパレル業界で培ったお客様第一という考え方です。そいてどんな依頼も決して断らないスタンスと、即決・即断を徹底してきました。
ーーーそういった努力や姿勢も評価に繋がったのでしょうね。また、今は訪問介護や居宅介護支援事業所に加えて、デイサービスも手掛けておられるとか。こちらはどういったきっかけが?
以前から、「デイサービスなんか行きたくない」という男性利用者が多きことが気になっていました。しかし出かけず、誰にも接さないでいると筋力低下や刺激の乏しさによる認知症などに繋がりかねません。そこで男性でも通いやすいスポーツジムのようなデイサービスがあればと考えていた時に、国が新たにリハビリ特化型という制度を作ったんです。まさに私がやりたかったことだと思い、『リハビリスタジオ夢現』をオープンしました。スポーツ療法を取り入れ、ジム感覚で通えるデイサービスがコンセプトで、今は2店舗運営しています。
ーーー社長は目の付け所が素晴らしいですよね。事業成長の要因もその点にありそうです。
いえいえ。スタッフに恵まれているから今があるんですよ。皆真面目で、利用者様の気持ちを考えて行動してくれていて本当にありがたいです。そんな皆に報いるためにも、やりがいを持って楽しく、幸せに働いる環境づくりが私の仕事です。皆にも「必ず働きやすい職場にする」と伝えているので、絶対に実現してみせます。
ーーー社長の気持ちが伝わっているからこそ、スタッフさんも頑張ろうという思いになるのでしょう。今後についてはいかがですか。
将来的にはリハビリ特化型分野を拡大していき、付随するサービスも手掛けていきたいですね。デイサービスは飽和状態という話もありますが、差別化によってまだまだ伸びる分野だと思っています。そうして利用者様に喜ばれるサービスを提供し続けるとともに、後継者も育て、100年企業を目指したいです。(取材/2023年1月)
[Masters 令和5年4月号より]
pick up the story
対談中、何度もスタッフの皆さんへの感謝の気持ちを語っていた菊地社長。現在、「ケアラーズ」では約60名のスタッフが活き活きと活躍している。社長は「私の世代は教えてもらうよりも、先輩の姿を見て覚えろと育ったので、人財育成が苦手なんです。ですが、当社ではスタッフがスタッフを育ててくれる風土が醸成されていて、本当にありがたいです」と語る。各部門の責任者たちは長く同社に勤めており、一緒に働く仲間たちからの信頼も厚い。だから新たに加わったスタッフも自然と先輩たちから教わろうという姿勢になるのだろう。
社長はこれからもスタッフと力を合わせ、利用者とそのご家族の笑顔を創出していく。
after the interview
「時代のニーズを読む確かな目とチャレンジ精神で、介護業界においても成功を掴まれた菊地社長。近年はそれを支えていださっている周囲の方々への思いが強いそうで、『利用者様やスタッフの幸福を実現する企業であり続けたい』と語っておられました。努力を惜しまない社長なら、必ず実現されると思います!」
つまみ枝豆(タレント)・談
経営理念
常に感謝と思いやりを持って、
地域社会に貢献し、
地域から求められる企業を目指すと共に、
全職員が物心共に豊かな生活を目指す。
経営方針・ビジョン
- 経営方針
自社の長所を徹底的に磨き込む
働く喜びを通して職員一人ひとりの人間性を高める
地域から必要とされる企業を目指す
希望と未来が描け、誇りが持てる企業を目指す
- ビジョン
100年企業を目指す
行動方針
事業所案内
法人名 | 株式会社 ケアラーズ |
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代表 | 菊地 一 |
設立 | 2000年4月 |
従業員数 | 64名(令和5年4月時) |
本社 |
株式会社 ケアラーズ |
浜口東事業所 |
【訪問介護】ヘルパーステーションケアラーズ 【居宅介護支援】ケアラーズ |
西住之江事業所 |
【リハビリ特化型デイサービス】リハビリスタジオ夢現 |
加賀屋事業所 |
【リハビリ特化型デイサービス】リハビリスタジオ夢現 加賀屋 【訪問看護】訪問看護ステーション夢現 |